このページでは、複数の測光結果(位置座標と等級)から、 そこにある星の変光データを取りまとめて、変光曲線が作れるようにするための 自作のプログラムを公開し、使用法などを説明しています。 コードはC言語で書かれていますが、 OPMソフトを利用します。
以下のファイルをダウンロードして、適当なディレクトリに置いてください。
ファイルサイズは約450KBです。
seqxym1_0.tgz
Unix系の計算機環境でのインストール方法は以下の通りです。 まず、ダウンロードしたファイルを解凍して、作られたディレクトリに 移動してください。
コンパイルに成功したら、まずは使ってみましょう。 example1というディレクトリに行ってみてください。
% cd example1 % ls 070808a.xyme 070808d.xyme 070809c.xyme 070811a.xyme seqlist 070808b.xyme 070809a.xyme 070810a.xyme param 070808c.xyme 070809b.xyme 070810b.xyme ref.xyme % head -3 seqlist 070808a.xyme 54320.812 param 070808b.xyme 54320.850 param 070808c.xyme 54320.898 param 070808d.xyme 54320.947 param 070809a.xyme 54321.785 param
ディレクトリには、*.xymeというファイルが11個とseqlist, paramがあります。 seqlistをみると、*.xymeのファイル名とそれに対する日付(Modified Julian Date)、 そしてparamがリストアップされています。 そこで、以下のようにseqxymを実行してください。
% ../seqxym -f -e -t -l seqlist -r ref.xyme
すると、少しの間文字列が流れて、matchlog, objlistというファイルと seqdataというディレクトリが作られます。seqdataディレクトリの中には、 seq*.datというファイルがたくさん出来ています。 「出力ファイル」で詳述する通り、 matchlogはOPMによる同定の結果の一覧、 objlistにはref.xymeにリストされている各天体の 変光データの情報がまとめられています。 seqdataディレクトリの中には、 各天体の変光データがそれぞれ出力されています。 seqdata中には、変光星であるかどうかに限らず、 ref.xymeに与えた全天体について時系列データをリストアップした ファイルが作られます。ただし、与えた*.xymeの中にデータが含まれていないなど 各時刻について同定ができなかった天体については99.99のような 意味のない数字が入っています(define.hのMAG_ERRで定義)。 objlistには、各天体について集められた 時系列データをもとに平均等級や 分散、等級の最大値と最小値の差がリストアップされていて、 変光星を探すのに役立つでしょう。
上の例でもわかるように、seqxymを利用して変光星データをまとめるためには、 以下の4種類のファイルを準備する必要があります。
たとえば、IRAF/daophotの測光結果は、apphot/daophot tables databasesと 表現される独特の形式になっています。これを、xym形式にするには、
pdump example.als.1 xcenter,ycenter,mag yes
とすれば、「x座標 y座標 等級」だけが出力されます。
OPMで同定させるときに与えるファイルです。 どの入力ファイルに対して、どのパラメータ・ファイルを用いるかは 次のseqlistで指定します。 各xymファイルに対して別々のパラメータを用いることも、 共通のパラメータ・ファイルを使うことも可能です。 OPMのパラメータについては、 こちらをご覧下さい。
入力するxymまたはxyme形式の一覧を、それぞれのデータの時刻(ユリウス日など)と どのOPMパラメータ・ファイルを利用するかとともにリストアップします。 各行にひとつずつ「入力ファイル名 時刻 OPMパラメータ・ファイル」を 与えてください。
seqxymでは、ひとつの基準ファイル(xymまたはxyme形式)を 与えて、そこにリストアップされた各天体について変光情報を調べます。 同じ領域の天体の情報を外部のカタログから集めたものでもよいし、 入力ファイルの中のひとつでも構いません。 ただし、その座標はhh:mm:ss.s dd:mm:ssのような形式ではなく、 局所平面座標やピクセル座標の形になっている必要があります。
seqxymを使うときには、以下のようなオプションをつけて、 パラメータの変更や入力ファイルの名前を指定したりします。 たとえば、xyme形式(eオプション)で座標の変換(tオプション)を したうえでref.xymeという基準ファイルと 同定させたい(rオプション)ときは、
seqxym -e -t -r ref.xyme
とオプションを与えて実行してください。オプションを与えない場合は、 デフォルトの値が使われることになります。また、 上の例のように、引数が必要なオプション(r)と 不要なオプション(e, t)があります。
seqxym を実行すると、 OPMマッチの結果一覧と 変光星カタログが1つ、それから天体の数だけ 変光情報ファイル(seq1.dat -- seqN.dat)が seqdata ディレクトリの中に 作られます。 matchlog, objlist, seqdata のデフォルトの名前は define.hの中で、 DEFAULT_MATCHLOG, DEFAULT_OBJLIST, DEFAULT_SEQDATAという定数マクロ で与えられていますが、seqxymを実行するときに オプションで変えることができます。
matchlogは、入力ファイルと基準ファイルをOPMでマッチした結果の 一覧です。どのファイル(obj)を、どのパラメータファイル(param)を使ってマッチ したか、そのファイルの時刻(time)とマッチできた天体の個数(nmatch)を示します。
# ref=ref.xyme obj=070808a.xyme param=param time=54320.812 nmatch=1200 obj=070808b.xyme param=param time=54320.850 nmatch=1185 obj=070808c.xyme param=param time=54320.898 nmatch=1173 - - - - -
変光星カタログ objlist は、
id xref yref magref mean stddev amplitude num
という書式になっています。それぞれの値の意味は以下の通りです。
個々の天体の時系列データはseqdataディレクトリの中に、 個別のファイルとしてまとめられます。 出力ファイルの名前はseqN.datとなっていて、Nには objlistの最初の項idで与えられる番号がついています。 それらのファイルは、変光星かどうかに関わらず同定された等級の情報を リストアップしています。書式は、
date x y flag mag (merr)
となっています。dateはseqlistで指定した時刻、 x, yは入力ファイルで与えられた座標です。flagは OPMの出力ファイルで与えられるもので 2つのファイルを同定したときに、お互いの天体1つずつが1体1で同定されたときは flag=0、 どちらかのそばに別の対応天体候補があったときは flag=1 となっています。 magは入力ファイルで与えられた等級。 ただし、f オプション をつけたときは、全天体の等級のメジアンがreferenceのそれと合うように 全体的にずらした等級になっています。 最後のmerrは、e オプションをつけたときに 出力される項目で、各等級のエラー(入力ファイルに与えられたもの)です。
seqxym: a program to compile light variation data
Copyright (c) 2008 Noriyuki Matsunaga
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